奇妙な話は山にまつわるものが多く伝わっています。ここでは子どもの頃、叔母さんと散歩した思い出の話を紹介します。
叔母さんは男性を、よく散歩に連れていってくれました。ある日のこと、叔母さんは普段とは違う細い道に入っていきました。民家も途絶えた先の方が、小山のようになっていて、さらにその奥へ道は続いています。
道の両側からは木々が迫っていますが、送れないように小走りについていきました。道が狭くなり小さな崖を下りていくと、そこには小川が流れていました。
キラキラと光る水面は、本に出てくる神話の世界。叔母さんが語ってくれたところによれば、叔母自身が子どもの頃、この川辺で一人過ごしていたという話。
お気に入りの場所であり、誰にも教えなかった所だそう。ある日いつものようにここまで来ると、見知らぬ石が小川の真ん中にありました。
向こう岸へ渡るのには丁度よく、足を置くのにも都合が良い平らな石。しょっちゅう来ている場所だけれど、まったく見覚えがありません。
石は踏んで渡ってと言わんばかり。不思議に思いながら叔母が足を伸ばした瞬間、石は回転しました。盛大な水しぶきを上げ、川に落ちた叔母。立ち上がった時には、石は無くなっていました。
あれは狐の仕業だよ、と言った叔母さんが狐に見えたという話。
どうでしょうという感じですね。
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